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4.10. ライティング力向上に必要なプロ意識

「プロ意識」なんていう言葉をよく耳にしますが、これは実際のところ何を意味するのでしょうか。みなさんそれぞれの考え方があると思いますが、私は「自分のできることをできる範囲で努力する」というごく単純なことではないかなと考えています。例えば、ウェイトトレーニングについて想像してみてください。いつも50キロのバーベルでベンチプレスをしている人が、その日だけ30キロのバーベルでトレーニングをしていたらどうでしょうか。ウェイトトレーニングをしたことのない方でも容易に想像つくと思いますが、これはただの時間の無駄ですね。怠けているだけです。彼にとって負荷が低すぎて何のトレーニングにもなりません。また逆に、同じ人が100キロのバーベルを上げようとしていたらどうでしょう。これもまた時間の無駄ですね。到底できないことをやろうとするのも「プロ」ではありません。しかもケガでもしたら他の人にも迷惑がかかります。良いトレーニング方法はやはり、50キロという基準点から少しずつ無理のない範囲でステップアップしていくことでしょう。先週は51キロクリアしたから、今週は51.5キロにチャレンジしよう、という具合に。「自分には何ができるか、どこまでできるか」という点を客観的に見極めた上で今できることを精一杯やる。これが真の「プロ」だと思います。

英文ライティングを勉強し始めた人にも同じことが言えます。このプロ意識をぜひ持ってもらいたいのです。今あなたができることをしっかりやってください。「そんなこと言ったって私は初心者だから何もできないわよ」などと思うことなかれ。初心者でもできることはありますよ。それは、スペルチェックです。どんな初心者であれ、スペルチェックくらいはできるでしょう。今の時代、マイクロソフトのWordを使っている場合であれば、スペルミスをしている単語には自動的に赤線が引かれますから、ミスを発見するのは簡単です。しかし残念なことに、このスペルチェックを疎かにする人が多いのです。添削や校閲を依頼された論文を早速読んでみたら、スペルミスだらけでやる気をなくしたという経験は少なからずあります(1つや2つのミスなら仕方がないとしても…)。自分の論文のテーマである専門用語のスペルを間違っているツワモノもかつていました(なぜ気にならないのでしょうか?)。厳しい言い方になりますが、断言しましょう。スペルチェックもできないのであれば、一生ライティング力は向上しません

もし本気で英語ライティング力を向上させたいのであれば、スペルチェックをはじめ自分が現時点でできることをできる範囲で精一杯やってください。心構えとしてはそれだけで十分です。このプロ意識があなたを一流のライターに成長させてくれます。

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